2016年12月4日日曜日

微生物によってセシウムからバリウムへの元素変換を起こす実験動画

2016年10月10日に微生物によってセシウムからバリウムへの元素変換を起こす実験記録を含むビデオがYouTubeに公開されました。E-Cat Worldにも以下の記事で紹介されました。


この動画は以下になります。動画の中の音声はロシア語のようでさっぱり分かりませんが、英語のキャプションが付いているので内容をある程度理解できます。


動画全体として、放射性のCs-137を非放射性のバリウムに変換するとして説明されていますが、実験に使われているセシウムの扱い方を見ると、非放射性のセシウム化合物を使っているように見えます。ヴィソツキー博士の以前の発表でも、非放射性セシウムからバリウムへの変換を報告していたので、おそらく、この動画の実験でも非放射性のセシウム化合物を扱っているのだろうと推測します。

以下、時系列で大まかな見どころを示します。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=20s
最初に出てくるのはBreakTrough Technologies社のCommercial DirectorであるJulia Minakova氏です。この方の名前を初めて知りました。商用化を考えている企業だとすると、非常に興味深いですね。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=2m42s
ここから実験の紹介です。半減期30年が270日になると書いてあります。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=2m58s
Murygina V.P. , PhD of biological scienceが登場して、培養液の準備をしています。
セシウムとして紹介される白い粉が出てきます。非放射性の炭酸セシウムあたりを想像します。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=5m5s
Sergey Gaidamaka, Chief engineerが登場して、微生物を培養液に入れて、封入しています。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=6m40s
時間が経過してから、ピペットに溶液を取り出して分析に回します。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=7m12s
96時間後にとった溶液を蛍光X線分析した結果が示されます。

https://youtu.be/eCXBNWuNODI?t=7m28s
結果、セシウムは検出されず、バリウムが検出されると言っています。


以上

2016年11月27日日曜日

モスクワで開かれた常温核融合の研究会

EGO OUTの記事で知りました。2016年11月24日にモスクワのPeople's Friendship Universityで常温核融合の研究会が行われ、その資料とビデオが公開されたとのこと。(以下の記事の日付はタイプミスだと思います)


プログラム部分を抜粋したのが以下です(赤字は引用者によります)。微生物やレーザ照射による核変換の話題があったのが、たいへん興味深い点です。
1. 16.00-16.10 Alexander Alexeevich Prosvirnov (VNIIAES- All Russia Sxientific Researh Institute for the Atomic Electrostation) News in Cold fusion and LENR 
2. 16.10-16.50 Stepan Nikolaevich Andreev (Dr. Phys-Math, Inst General Physics, Moscow), Alla Kornilova,(Dr. Lomonosov State Univ), Vladimir Alexandrovich Koshcheev (All Russia Scientific Research Institute for inorganic Materials named after Bochvar) "Non-linear quenching of radioactivity of Cs-137 in biological systems and at laser ablation in liquids
3. 16.50-17.20 Yuri Nikolaevich Bazhutov(Dr. Phys-Math, Kurchatov Inst, Moscow) Thermal Generator based on plasma elctrolysis giving more than 200% excess energy 
4. 17.20-17.50. Alexander Georgevich Parkhomov (Dr. Phys-Math, Moscow) Low Energy Nuclear reactions in nickel-hydrogen systems
5. 17.50-18.20. Anatolii Ivanovich Klimov (Russian Academy of Science, Moscow) Plasmoidal sources of energy and the transmutations of chemical elements
6. 18.20-18.50. Discussions of the experts

元の情報は以下にあります。Google翻訳の精度が上がったので、日本語訳を載せています。



以上

Financial Times誌がWoodford's Investment社による約50億円の常温核融合投資をレポート

Financial Times誌が英国の投資会社Woodford's Investment社がIndustrial Heat社に約50億円($50M)を投資していたことを報じました。要するに、ロッシ氏の常温核融合装置E-Catの将来性に約50億円を賭けたということです。

実は登録が面倒でこの記事の本体を読んでいないのですが、内容を簡潔にE-Cat Worldが以下の記事にまとめてくれています。



E-Cat Worldの記事によると、FT誌の記者は常温核融合に非常に懐疑的な書き方をしているようです。自分で深く調べないと分からないでしょうから、これは仕方ないとして、ロッシ氏が出したコメントが興味深いです。
Andrea Rossi
November 25, 2016 at 10:43 PM
Roslyn Abrams:
Woodford visited the plant during the test in February 2015 and in September 2015: when they invested 50 million dollars in IH the sole license and intellectual property that IH had was the one of Leonardo Corporation. The top level officers that Woodford sent to visit the plant during the test had at their disposal the first and the second querterly report made by the ERV. The fourth and last quarterly report, as well as the third, were substantially equal to the first and the second. IH has also paid the invoices related to the first, the second and the third report of the ERV. Eventually, they did not pay the fourth report, because they said it was not correct. But it was equal to the former three, related to the period during which IH collected funds from their investors. At the end of the second visit to the plant of 1 MW during the test, in September 2015, the senior officer of Woodford said to me the following precise words: ” Congratulations, Dr Rossi, we saw great stuff here”.
Warm Regards,
A.R.
このコメントによると、Woodford's Investment社の人間が2015年に2回、ロッシ氏の常温核融合発熱プラントを訪れたそうです。そして、2回目の訪問の最後には、ロッシ氏に対してお祝いの言葉「 Congratulations, Dr Rossi, we saw great stuff here」を述べたそうです。

以上

2016年11月21日月曜日

ナノ銀による放射線低減現象の研究とは (通称:ナノ銀除染)

別のブログに書いた内容と同じです。むしろ、こちらのブログの方が適している内容なので転載させていただきます。

WCEC会議でのFrancesco Celani博士の講演資料

2016年11月1日~4日にジュネーブでWCEC(World Clean Energy Conference)の会議が行われたとのこと。


この会議の中で、Francesco Celani博士とNicolas Chauvin氏が常温核融合(LENR)研究の近況を報告したとのメディア・リリースが出されています。


この報告書が以下のURLにて公開されています。
http://www.hydrobetatron.org/files/316---Pres.-WCEC-2016D1_Pubb.pdf


骨子は以下のページにあります。Celani博士は私見と断った上で、日本-中国-インドは連携する可能性があると見ているようで、このグループとの連携を将来の取りうる候補の一つに挙げています。


この資料では各国の常温核融合研究の状況を概観してくれているのが、全体状況の理解の助けになります。ちなみに日本は常温核融合研究の最も盛んな国として認識されています。

また、最後の方にある以下のページはたいへん興味深い。特にHHOガスについて1ページを使って言及しています。HHOガスの奇妙な振る舞いにはLENRとの類似点があると指摘しています。


以上

2016年11月4日金曜日

北村晃博士と土屋賢一博士によるICCF20報告書

北村晃博士と土屋賢一博士によるICCF20の報告書がJCFのサイトに公開されました。

URL: http://www.jcfrs.org/file/iccf20-report.pdf

最初のページには仙台の開催会場の写真が載っています。仙台駅から歩いて5分程度の所にあり、周りには飲食店も多数あってたいへん便利な会場でした。

以上

2016年10月30日日曜日

「日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術」に凝集系核反応

日経BP社から「日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術」という本が刊行されました。
題名の通り、世界を変える100の技術について1つずつ概要を説明した本です。その最後の100番目の項目に「凝集系核反応」が取り上げられています。


目次は以下のようになっており、第7章の最後に100「凝集系核反応」が挙がっています。早速、Kindle版を購入して「凝集系核反応」の部分だけ読みました(笑)。おそらく、このブログを読んでおられる方々には既知の情報だと思いますので、100番目の項目だけが目当てなら買うまでもないでしょう。ただ、こういった一般的な書籍に凝集系核反応(常温核融合)が登場してきたのは素晴らしいことだと思います。今後の日経BP社の取り組みに期待します。



以上

「みらい創造ひろばin丸の内」に吉野英樹社長が登壇して常温核融合を議論

日経BP社がエコッツェリア協会と共同で開催する「みらい創造ひろばin丸の内」というイベントに、グリーンプラネット社代表取締役社長の吉野英樹氏が登壇して「常温核融合による理想的なエネルギー社会」について議論するとのこと。

以下のページから案内文を引用します。
そこで日経BP社では、エコッツェリア協会と共同で、将来の社会を描くための議論の場として「みらい創造ひろばin丸の内」を開催することにしました。全10回で、題材とするテーマは毎回変わります。それぞれ、その分野での知見や技術、経験を持つ企業や学術研究機関、自治体などの担当者をゲスト(みらい創造人)として招いて話題を提供していただき、その後参加者同士で議論を交わします。将来像を描くことで、新しいビジネスのヒントを得る場として、またネットワークづくりの場としてお役立ていただければ幸いです。

吉野英樹社長は、2017年2月22日に登壇されるそうです。


案内文から引用します。
【常温核融合による理想的なエネルギー社会】
半永久的に電気を供給する乾電池ができたら
<ディスカッションテーマ>
もし、常温核融合が実現したら、エネルギーの仕組みはどれだけ変わるのでしょうか。
水を燃料にした発電装置が各家庭に設置され、送電線はいらなくなり、乾電池は半永久的に電力を供給し、電気自動車はどこまででも走り続ける。
コストは大幅に下がり、電気代を考えなくてよいほどの理想的なエネルギー社会が実現したら、どんなことが起きるか議論します。
常温核融合は科学技術の観点から注目されることが多いのですが、自律分散型で超安価なエネルギー源を実現することから、我々の社会全体に大きな影響を及ぼします。我々の社会がどう変わるかを論点とする議論は非常に面白い思考実験だと思います。こういった議論が日本でも盛り上がっていくことを期待したいと思います。

ちなみに、案内文では「水を燃料にした」と表現されていますが、正しくは水素を燃料の一つとして使う・・・という所ではないかと思います。分かりやすく表現するための工夫なのでしょう。

以上

2016年10月23日日曜日

ICCF20-A55 Hidemi Miura's poster and short presentation

ICCF20のポスターセッションにて三浦秀美(Mr. Hidemi Miura)氏が使われたポスターとプレゼンテーション資料を以下に置きました。快く公開を許可してくれた三浦氏に感謝します。

題名: States of Hydrogen, Oxygen or Magnesium Atom in or with Cubic Ice Crystal-like Water Clusters

この発表は、不思議な性質を持つ(もしかすると核変換を起こしているかもしれない)オオマサガス(OHMASA-GAS)の分子構造をコンピューターシミュレーションで検討したものです。従来の分析結果で、オオマサガスは水分子20個からなるクラスター構造を取っているのではないかと言われています。今回、三浦氏は、水分子20個のクラスターの内部には最大で3個までの水素原子が存在できることをコンピューターシミュレーションで評価したとの事。

以下が掲示されたポスターです。




以下は、ポスターと共に掲示されていた写真です。
左上: オオマサガスを生成しているところ。
右上: オオマサガスをタングステン鋼にあてて熱している際、鉛で遮蔽した写真を感光させた実績があるとの事で、その写真です。燃焼時に放射線が出ていた可能性があります。(残念ながら、この件は論文にはなっていないそうです)
左下: タングステンとグラッシーカーボンを熱している際の温度分布です。なぜこのような高熱が発生するのか理由が分かっていません。
右下: オオマサガスを発生させる装置を改良したもので元素変換実験をしている様子です。



以下はプレゼンテーション資料です。



以上


2016年10月10日月曜日

ICCF20-A91 Vladimir Vysotskii博士の微生物による核変換発表

ICCF20でのVladimir Vysotskii博士の発表がとても重要だとMFMPが評価しています。


題名は以下の通りで、メタンを生成する海泥に棲む好気性微生物によるセシウム133とセシウム137の核変換について述べたものです。

Biotransmutation of Cs133 and Biodeactivation of Cs137 by Aerobic Microorganisms of Methanogenic Sea Ooze (A 91) (20)
Vladimir Vysotskii (Kiev National Shevchenko University, Ukraine)

発表資料は、https://goo.gl/7gvkfd に公開されています。

実験結果を示すページは以下の通りです。セシウム133やセシウム137の量(あるいは放射線)が減少しているのが見て取れます。


結論のページには以下のように記述されています。福島での除染を加速するのに役立つのではないかとも書かれています。私には前提知識が不十分でチェルノブイリでの「シェルター」の話が良く分からないのが残念です。

CONCLUSIONS
  • In conducted experiments the decrease in the concentration of radioactive reactor Cs137 isotope by 23% (average value ) and up to 40-70% (in the most optimal bioreactors) during 7-10 days was observed due to its transmutation into a stable isotope of barium
  • For further stages (up to 100%) of Cs137 isotope transmutation it is necessary to make the operational changes to the composition of the nutrient medium during transmutation.
  • The presented results show perspectives and effectiveness of radioactive Cs137 isotope deactivation and radioactive water purification during controlled growth of microbiological syntrophic association for industrial and environmental applications (e.g. for accelerated deactivation of radioactive water in Fukushima area).
  • The results of an independent examination confirmed the correctness of our previous results on the deactivation of radioactive isotopes, previously conducted at the “Shelter” object in Chernobyl

以上

ICCF20-A82 田辺克明博士の発表

ICCF20での田辺克明博士(京都大学)の講演ビデオがMFMPによってYouTubeに投稿されています。題名は以下の通りです。

Plasmonic Concepts for Condensed-Matter Nuclear Fusion (A 82) (20)
 Katsuaki Tanabe (Kyoto University, Japan)



サマリは以下のページに示されています。


田辺克明博士は、JCF16でも発表されています。テーマは、レーザ光によって引き起こされる表面プラズモン共鳴を利用した凝縮系核反応の促進だと理解しています。素人ながらたいへん興味深い研究だと思います。

また、「Plasmonic energy nanofocusing for high-efficiency laser fusion ignition」という題名の論文を発表されています。

http://iopscience.iop.org/article/10.7567/JJAP.55.08RG01/pdf

以上

Global Business Leaders Summit 2016に吉野英樹代表が登壇

クリーンプラネット社のFacebookページで知りました。日本の常温核融合研究&実用化を牽引するクリーンプラネット社代表の吉野英樹氏が10月15日に東大本郷キャンパスで開催されるGlobal Business Leaders Summit 2016にパネリストとして登壇されるそうです。どのような議論が展開されるのか楽しみですね。


学生向けの案内ページは以下にありました。


どうやら学生の参加は無料のようです。


社会人は有料です。


以上

日本とインドの常温核融合研究機関

MFMPがFacebookに以下のような投稿をしてくれました。ICCF20のプレゼンの画面写真だと思われます。日本とインドの常温核融合研究を行っている組織名が列挙してあります。


以下が日本のスライドです。だいたいは分かる名前が挙がっています。


以下がインドのスライドです。こちらは殆ど分かりません。インドでも色々な大学や研究機関で常温核融合研究が行われているようです。



以上

微生物による元素変換実験の報道

MFMPがロシアの記事について短く報じてくれています。2016年4月にKornilova/Vysotskii博士らの微生物による元素変換(生体核変換:Biological Transmutation)の追試が行われたとの事です。


元はロシア語の記事なので、Google翻訳で英訳して、そこから引用します(日本語訳の質が良く無いので)。たいへん興味深い報道です。
According to Alla Kornilova, she is able to transform one species to another. Well, for example, radioactive - in a non-radioactive, that is, thus solving the problem of nuclear waste. And it can still get a very rare isotopes (1 gram worth hundreds of thousands of dollars), which are critical to medicine, nuclear energy, space instrumentation. Their industrial production - a resource for the country's prosperity.
Alla Kornilova氏が放射性および非放射性元素の核変換を主張しているようです。
Everything happens so. The radioactive isotope cesium-137 (half-life 30 years) was added to the special biological culture. After 14 days, the concentration of radioactive cesium is reduced by 23 percent. In similar experiments with stable Cesium-133 Cesium solution disappears and appears barium compound that is converted into one another! The quantity proportional to the amount of barium cesium disappeared.
セシウム137を特別な微生物培養地に添加したところ、14日間で23%の低減が見られたようです。同様に安定元素であるセシウム133について試したところ、セシウムが減ってバリウムが増えたようです。
Then Kornilovoj technology got in the book "Methods of producing isotopes", where among the four methods described, and it turned out to be. In 1996, the year of the 10th anniversary of Chernobyl, theoretical scientist who worked with Kornilov, Professor, Head of the Department of Mathematics and Theoretical Radiophysics of the Kyiv National University Radiophysics Faculty. Shevchenko Vladimir Vysotsky addressed to the Institute of Nuclear Physics in Kiev, with a proposal to try to conduct an experiment on liquid radioactive waste. Two experts from the institute experimented in the laboratory "Shelter" Chernobyl. According to Kornilov, these experiments showed that the 30 years half-life of radioactive cesium were reduced to ... 250-300 days, that is, the reaction would be accelerated as the 30-35 times!
Komilov教授によると、30年の半減期を持つ放射線セシウム(たぶんセシウム137でしょう)の半減期を250~300日間に短縮できたとのこと。これが既にICCF等でも発表されているヴィソツキー博士の実験と同じかどうかは良く分かりません。
According Kornilova, it works today are interested in America, Italy, France. The Indian experience with iron-57 was successfully repeated at the Institute in Chennai.
Kornilova氏によると、鉄57の元素変換実験については、インドのチェンナイ工科大学?で追試されているようです。

以上

LookingForHeatにロッシ氏の手法で実験するためのコツが掲載

LookingForHeatのサイトに「ロッシ氏の手法を紐解く:金属水化物内で常温核融合を引き起こす実践的な手法」(勝手な和訳)が掲載されています。


ABSTRACT
 In this paper, the author describes the fundamental requirements to induce Cold Fusion or Low Energy Nuclear Reactions (LENR) inside of the crystal lattice structure of metals capable of absorbing hydrogen – such as nickel, palladium, platinum, titanium, and titanium. Practical considerations are provided for the preparation of powders (particularly nickel) in such a manner to allow for high levels of hydrogen loading. Furthermore, stimulation processes are discussed and how they relate to various methods of inducing the exit of hydrogen from the nickel lattice beyond the rate at which hydrogen may desorb. A unified concept is presented that provides a logical framework to guide replicators as they work towards reproducing the, “Rossi Effect.”
常温核融合は簡単にできるという誤解がありますが、実は、様々なテクニックを駆使して素材や条件を整えてやる必要があるのはウォッチャーには広く認識されていると思います。また、金属のナノパウダーを使ったり、真空・高温などの条件が必要になるので、素人には危険という側面もあります。目次には以下のような項目が並んでいます。

  • Transition Metal Choice and Additives
  • Nickel Surface Cleaning
  • Nickel Interior Cleaning – Degassing
  • Pre-Loading of Hydrogen
  • Slow Heating Of Active Reactor
  • Preparation for Thermal Shock Event
  • Electromagnetic Stimulation
  • High Temperature Work


以上

2016年10月9日日曜日

ICCF20のポスターセッション一覧

ICCF20では、20~30分の口頭発表の他に、多くのポスターセッションが催されていました。ポスター発表者は、発表会場の一角にポスターを掲示でき、また、1名3分の発表時間が貰えます。

ICCF20のホームページに公開されているプログラムの最後にポスターセッションの一覧が載っています。


ポスターセッションは口頭発表以上にバラエティが豊かで、その分、真偽が怪しいものもありますが、見ていて面白いです。上記のプログラムからテキストを書き出したものを以下に載せておきます。各項目の最後のA2という記号は、Abstract Bookの中のページ番号です。


Pos 1
Orchideh Azizi
SKINR, Univ. Missouri, USA
Effect of mercury on the kinetics and mechanism of hydrogen/
deuterium loading into palladium in alkaline solution
A 2

Pos 2
Francesco Celani
INFN-LNF, Italy
The Zitterbewegung interpretation of quantum mechanics as theoretical framework for Ultra Dense Deuterium and Low Energy Nuclear Reactions
A 8

Pos 3
William Collis
ISCMNS, Italy
Minimal Exotic Neutral Particle Models
A 10

Pos 4
Volodymyr Dubinko
NSC KIPT, Ukraine
Radiation-induced formation of localized anharmonic vibrations as a method to trigger LENR
A 13

Pos 5
G. Egely
Egely Ltd.,
Hungary Influencing Radioactivity via Transmutation
A 16

Pos 6
Arik El-Boher
SKINR, Univ. Missouri, USA
Final report on SKINR replication experimental program to seek excess heat using Ni powders mixed with LiAlH4 and free Li under high temperature Hydrogen gas
A 17

Pos 7 Max Fomitchev-Zamilov
Quantum Potential Corporation, USA
Neutron Synthesis via Arc Discharge in Low-Pressure Hydrogen Plasma: Successful Replication of Earnest Sternglass Experiment
A 20

Pos 8
I.V.Goryachev
Russian Academy of Sciences, Russia
Implementing Innovative Technologies for Cleaning Sea Areas from Solid Pollution
A 24

Pos 9
Robert Greenyer
Martin Fleischmann Memorial Project, United Kingdom
Live Open Science, experience in LENR research and techniques for future application to advance the scientific method
A 26

Pos 10
P. L. Hagelstein
Massachusetts Institute of Technology, USA
Statistical mechanics models for PdHx and PdDx
A 31

Pos 11
Philippe Hatt
Independent, Belgium
Cold Nuclear Transmutations Theoretical models of atom nuclei
A 33

Pos 12
Philippe Hatt
Independent, Belgium
Cold Nuclear Transmutations Structural Anomaly of Palladium Nucleus
A 34

Pos 13
T. Itoh
Tohoku University, Japan
Pd, Se, Zr Transmutation Experiments induced by D2 gas permeation with the nano-sized Pd complexes
A 39

Pos 14
Lutz Jaitner
www.condensedplasmoids.com, Germany
Condensed Plasmoids – The Intermediate State of LENR
A 42

Pos 15
Andrew Meulenberg
Science for Humanity Trust, Inc., USA
Physical reasons for rejecting arguments against Deep-Dirac Levels - Physical reality vs mathematical models in LENR
A 50

Pos 16
Melvin H. Miles
University of LaVerne, USA
The Eyring Rate Theory Applied To Cold Fusion
A 52

Pos 17
Hidemi Miura
Independent, Japan
States of Hydrogen, Oxygen or Magnesium Atom in or with Cubic Ice Crystal-like Water Clusters
A 55

Pos 18
David J. Nagel
The George Washington University, USA
Gas-Phase Nickel Hydrogen Experiments in Nickel Tubes in a Furnace
A 57

Pos 19
David J. Nagel
The George Washington University, USA
Electrical Noise Spectroscopy of LENR Electrochemical Cells
A 59

Pos 20
David J. Nagel
The George Washington University, USA
Production of Clean Water by using Energy from LENR
A 60

Pos 21
Ken Naitoh
Waseda University, Japan
A new physical theory for describing and stabilizing cold fusion
A 61

Pos 22
Shinsuke Ono
KOUSHIRYOKU Lab. Ltd., Japan
Simulation of the neutron generator with a nickel-hydrogen system
A 65

Pos 23
Dennis Pease
SKINR, University of Missouri, USA
Measurement Errors and Artifacts in AHE and LENR Experiments
A 69

Pos 24
Jed Rothwell
LENR-CANR.org, USA
Cold Fusion Will Lower the Cost of both Energy and Equipment
A 70

Pos 25
Frank Smith
Independent, USA
Deuterium in 147-atom Pd nanoclusters embedded in zeolite cages
A 74

Pos 26
Slobodan Stankovic
Swiss Oxyhydrogen Energy, Switzerland
Measurements of temperature and electron density of oxyhydrogen (HHO) flame
A 76

Pos 27
Daniel S Szumski
Independent, USA
Laws of Nature are Precise and Reproducible
A 80

Pos 28
Tarassenko G.V. Caspian
State Univ. of Tech. Eng., Kazakhstan
Cold fusion on the basis of the model of the planet Earth
A 84

Pos 29
Zhongqun Tian
Xiamen University, China
A study on the excess heat generation in Ni-H gas discharge systems
A 85

Pos 30
Zhongqun Tian
Xiamen University, China
A study on Ni-H high-temperature devices
A 86

Pos 31
Ken-ichi Tsuchiya
National Institute of Technology, Japan
Explanation of nuclear reactions in solids by solving many-body problems of charged bose particles trapped at the bottom of the harmonic potentials
A 87

Pos 32
V.I. Vysotskii
Kiev National Shevchenko University, Ukraine
Experimental Observation and Theoretical Explanation of Effective Transmutation of Target Nuclei Under the Action of Shock Waves
A 89

Pos 33 V.F. Zelensky
NSС KIPT, Kharkov, Ukraine
Nuclear fusion reactions in vacuum and in matter and two ways of nuclear fusion energy mastering
AD 1

Pos 34
V.F. Zelensky
NSС KIPT, Kharkov, Ukraine
Pilot chemonuclear fusion energy generator development and testing («control experiment»)
AD 2

Pos 35
Tadahiko Mizuno
Hydrogen Eng. Appl. and Devel. Company, Japan
Recent development of CF reaction experiment
AD 3

Pos 36
C.R. Narayanaswamy
The Silcal Metallurgic Ltd., India
Observation of Anomalous Production of Si and Fe in an Arc Furnace Driven Ferro Silicon Smelting Plant at levels of Tons per day
AD 4

以上

ICCF21は2018年6月に米国Raleithにて開催

Cold Fusion Timesのページに、Dr. Jean Paul BiberianによるICCF20参加レポートの英訳版が掲載されています。その中に、次回ICCF21の開催について言及がありました。
The day ended with the traditional gala dinner. On this occasion, it was announced that ICCF21 be held in June 2018 in Raleigh, North Carolina, organized by Industrial Heat. There will also be a workshop in Siena in Italy in May 2017.
これによると、ICCF21は、2018年6月に米国ノースカロライナ州Raleigh(ローリー)にて開催されるとのこと。驚いた事に、主催者はIndustrial Heat社です。
また、2017年5月にイタリアのシエナでワークショップが開催されるとのこと。


以上

ICCF20は19カ国から150名の参加でした

10月2日~7日の1週間、仙台で開かれていた国際常温核融合学会第20回大会 ICCF20 が盛況のうちに終了しました。

事務局として多大な貢献をされたクリーンプラネット社のFacebookに以下の投稿がありました。19か国から約150名の参加者があったとの事。私は1日だけ参加させていただきましたが、活発な質疑応答が行われる良い学会でした。


この学会は、欧州・米国・アジアの3極での持ち回り開催となっており、アジア地区には、日本の他に、ロシア・中国・韓国・インドに開催実績があります。だいたい、1年半の間隔で開催されているので、次の日本開催は20年後くらいになるかもしれません。今回参加できたのは幸運だったと思います。

運営に尽力いただいた、岩村康弘先生、笠木治郎太先生ほか東北大学電子光理学研究センターのメンバーの方々や、協賛組織の方々に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

以上

2016年10月2日日曜日

Jean-Paul Biberian博士によるSSICCF20の参加報告

常温核融合研究者として著名なJean-Paul Biberian博士によるSSICCF20の参加報告がブログに公開されています。但し、フランス語なので、Google翻訳の助けを借りて内容を想像するしかありませんが・・・。MFMPは、この報告から中国では4つの大学で公式に常温核融合の研究が進められており、その他にも民間の組織が研究しているようだ・・・と言っています




以上

SSICCF20での岩村康弘博士の発表要旨

SSICCF20では東北大学の岩村康弘博士の発表もありました。以下がアブストラクトの前半です。


東北大学電子光理学研究センターの凝縮系核反応研究部門での進捗状況について興味深い内容が書かれていますので、以下に引用します。日本語は私の感想です。

1) Anomalous excess heat generated by the interaction between nano-structured Pd/Ni surface and D2/H2 gas was observed. These experiments are based on Mizuno’s experiments [1]-[2]. Recently, our experimental set-ups have been improved to be able to make experiments under high pressure D2/H2 gas up to 0.3Mpa.

パラジウム/ニッケルのナノ構造を持った金属表面と重水素/軽水素による過情熱検出は順調に進んでいるようです。これは水野忠彦博士の考案した実験方式に基いていて、これを改良しているようです。

2) Replication Experiments based on Kitamura and Takahashi’s work [3] were performed at Tohoku University. Anomalous heat generation using Nickel-based binary nanocomposites and hydrogen isotope gas was reproduced.

日経新聞の記事の中に、より安価な材料での実験を行いたいという趣旨の事が書いてありましたが、これが該当するのかもしれません。北村博士と高橋博士の実験方法を使って、ニッケルと軽水素を使っての過情熱生成が再現できているようです。

3) 141Pr was confirmed by Rutherford Backscattering Spectroscopy with the statistical significance of about 2.5. 141Pr is supposed to be a transmuted isotope from Cs using Pd/CaO multi-layer foil with D2 gas permeation [4]-[5]. RBS has never been applied to detection of 141Pr, although 141Pr we detected by XPS, ICP-MS, SIMS, TOF-SIMS and XRF [4]-[5].

私としては、この元素変換実験の進捗も大いに気になっていました。パラジウムと酸化カルシウムの多層箔を用いたセシウムの元素変換実験では、プラセオジム141が有意に検出されているとのこと。

4) Transmutation experiments of stable Se, Zr and Pd were performed. The aim of these experiments is to transmute long lived radioisotopes (107Pd, 79Se, 93Zr and 135Cs) into stable ones.

セレン、ジルコニウム、パラジウムの安定元素についても実験が行われているようです。目標は、取扱が厄介な長寿命放射性元素を安定元素へ変換する事だと。期待しましょう。


以上


SSICCF20のAbstracts公開

ICCF20に先立って、9月末に中国の厦門で開かれていたICCF20のサテライト・シンポジウム(SSICCF20)のAbstractsが以下に公開されています。



以上

いよいよ明日より仙台にてICCF20開催

いよいよ明日10月3日から仙台にて国際常温核融合学会第20回大会(ICCF20)が開催されます。世界中から常温核融合の研究者が集まる会議です。楽しみですね。


Martin Fleischmann Memorial Projectのメンバーも既に日本に来ているようです。以下の動画がFacebookに投稿されていました。


以上

2016年9月18日日曜日

中国で開催されるICCF20のサテライト・シンポジウムのプログラムが公開されました(2)

昨日、SS-ICCF20(ICCF20のサテライト・シンポジウム)のホームページへのアクセスが不調だったのですが、今日は快調にアクセスできました。暫定版として公開されている公式のプログラムは以下のようになっています。


中国厦門(アモイ)での開催ということで、中国の研究者の発表が多くなっていますが、以下が面白いと思いました。日本語は私のコメントです。

  • J. F. Geneste (Airbus Group, Toulouse) Symmetry, entropy and order
    エアバス社の研究者ですね。
  • Y. Iwamura (Tohoku U, Sendai) Anomalous heat generation and nuclear transmutation experiments at condensed matter nuclear reaction division of Tohoku university
    ICCF20の企画運営の中心にいる岩村康弘博士の発表です。仙台より一足早く概要を知ることができるかもしれません。
  • M. A. Halem (LENR-Invest LLC, New York) Validation of brillouin energy corporation hydrogen hot tube experiments
    常温核融合ベンチャーであるBrillouinエネルギー社からの発表です。
  • J. Tian (CUST, Changchun) Cold fusion research in CUST: past, present and future
    私は初めて知りましたが長春理工大学(CUST)でも常温核融合研究をやっているようですね。
ちなみに、長春理工大学は1958年創立で2万人以上の学生が在籍する大きな大学のようです。常温核融合研究へのコミットがあると嬉しいですね。



以上

中国で開催されるICCF20のサテライト・シンポジウムのプログラムが公開されました

仙台で開かれるICCF20に先立って、中国の厦門(アモイ)にて、サテライト・シンポジウムが開催されます。そのプログラムが公式サイトに公開されたのですが・・・今の時間帯はアクセスが不調なので、中国の常温核融合ニュースサイトから引用します。
日本の岩村康弘博士も発表されるようです。


以上

New Scientist誌に常温核融合の記事

New Scientistの9月14日号に常温核融合の記事が掲載されました。クリーンプラネット社や東北大学の活動にも少し言及があり、吉野社長と笠木先生のお名前も出ています。
サイトには定期購読料金が大きく表示されていますが、New ScientistのiPhoneアプリをインストールして、アプリ内でこの記事だけを240円にて購入できました。これから読んでみます・・・


以上

Ruby Caratさんが常温核融合を語るオンラインセミナーが開催されます

Cold Fusion Now! サイトを運営し、常温核融合の認知拡大に注力してきた Ruby Carat さんが常温核融合を語るオンラインセミナーが開催されます。
開催時刻は以下のようになっていますので、日本では9月24日(土)の深夜24時からだと思います。
Saturday, September 24, 2016
10 am CDT (8AM West coast US) (3PM GMT)

Webinarへの申し込みは以下のリンクから可能です。楽しみですね。

Register for the webinar at
https://goo.gl/forms/CmtVVSvQu9BdY3e83


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2016年9月11日日曜日

Brillouin Energy社の紹介ビデオ

常温核融合ベンチャーであるBrillouin Energy社の紹介ビデオが公開されています。E-Cat Worldに、このビデオの中で語られている言葉の一覧が載っています。「Q-Pulse」という技術で、常温核融合反応をコントロールしているようです。

Brillouin_Energy_Corp_Intro_Video from Brillouin Energy on Vimeo.

ちなみに、Brillouin Energy社は150度程度の発熱装置WET Boilerと500~700度の発熱装置HYDROGEN HOT TUBEを開発していると表明しています。


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ランデル・ミルズ博士の研究に関する書籍

常温核融合の研究者からも疑問視されることの多いランデル・ミルズ博士の研究に関する書籍が発行されました。


Vortex-lに、Jones Beene氏が読後感を投稿してくれてます。著者は良い書き手のようですが、ミルズ博士の信奉者のように見え、批判的な視点に欠ける印象があるようです。


ちなみに、ミルズ博士の設立したBlack Light Power社は、今では、Brilliant Light Power社と名前を変え、実験ビデオ等を公開しています。しかし、どれも科学的な検証だとは見られていないようで、いまだに不審の念が拭えません。今後の展開を見守るしかありません。



以上

常温核融合実験キットの作成ビデオ

Looking For Heat社が出している常温核融合の実験キットMK.1 Model Tの開梱から組み立てまでを撮影したビデオが公開されています。なかなか楽しそうです。



キットは以下で販売しています。私はまだ購入していませんが、なかなか魅力的ですね(笑)。


上記のビデオを撮った方のホームページは以下にあります。


以上

2016年9月10日土曜日

国際常温核融合学会第20会大会ICCF20のプログラムが公開されました

ICCF20のプログラムが公式ホームページで公開されました。10月3日(月)~10月7日(金)の一週間の盛り沢山な内容になっています。


個々のプログラム内容の説明は上記の「for more information」のリンク先に公開されています。以下のような5ページの資料です。



ちなみに、ICCF20本大会に先立って中国のアモイ市で開催されるサテライト大会のプログラムはまだ発表されていないようです(以下のサイトに出ています)。


以上