2014年10月13日月曜日

材料研究機構による岩村康弘博士の元素変換実験の追試

元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア」を読んで、以下の研究報告書があることを知りました。岩村博士の元素変換実験の追試に相当し、更に収量を上げるための要因を見出そうとしています。概要の部分を引用します。


https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2012/seika/C-19_1/82108/22560744seika.pdf
科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書
平成25年 6月 17日現在
機関番号: 82108
研究種目: 基盤研究(C)
研究期間: 2010~2012
課題番号: 22560744
研究課題名(和文) 重水素透過誘起希土類元素生成反応の現象理解と収率向上
研究課題名(英文) Clarification and yield enhancement of deuterium-permeation-induced generation of rare earth elements.
研究代表者
 西村 睦(NISHIMURA CHIKASHI)
 独立行政法人物質・材料研究機構・水素利用材料ユニット・ユニット長
研究者番号: 20344434
研究成果の概要(和文):
重水素透過誘起元素生成反応で用いられてきた複合膜の重水素透過特性を明らかにした。ガス透過法で、圧力が高いほど生成物の収率が向上することを明らかにし た。電気化学的に重水素透過した試料を SIMS および ICP-MS 法で分析し、133Cs から質量数 139,140,141,142 の物質への変換を示唆する結果が得られた。また W をイオン注入した複合膜においては、質量数 190 の物質への変換を示唆する結果が得られた。
研究成果の概要(英文):
Deuterium permeation characteristics were determined for composite membranes used in transmutation reaction by deuterium permeation. Higher deuterium gas pressure resulted in higher yield of transmutation. Surfaces of electrochemically deuterium-permeated samples were analyzed by SIMS and ICP-MS. Peaks of Mass number 139, 140, 141, 142 were clearly observed in deuterium-permeated samples with 133Cs implantation. Peak of mass number 190 was observed in deuterium-permeated samples with W implantation.
この報告書では、パラジウム層を含む多重膜に重水素を透過させて、その際に、表面に注入したセシウムとタングステンからどのような元素が生じるかを定量的に分析しています。
セシウムの場合だと、以下のように質量数139,140,141,142あたりの元素が現れていると報告されています。


また、タングステンの場合だと、以下のように質量数190の元素の増加がシャープに現れていると報告されています。


これまで、日本の常温核融合研究では、豊田中研による追試しか行われていないと思っていたので、私にとっては新たな情報でした。この本に感謝したいと思います。

それにしても、このような重要な研究に科研費がたった442万円しか支出されていないのは、納税者としては不満です。未来の無い原発関連の研究費用を削って、もっとこちらに研究費を増やすべきだと思います。また、この報告書のPDFファイル内のテキストが検索対象となっていない事にも不満です。広く検索できるように、テキスト情報を付けた状態で公開すべきだと思います。


以上

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