2014年5月18日日曜日

ナノ銀による放射線低減効果とナノ銀濃度の関係

最近、阿部宣男博士が館長を勤められていた板橋区ホタル生態環境館の存続に向けての活動を応援しています。私自身は、子供のころから生き物飼育は苦手で、到底ホタル好きとは言えないのですが、その縁で少しホタルの事を調べるようになりました。
ところが、そのために買った「ホタルよ、福島にふたたび」という阿部宣男博士の自伝的な本の中に、ナノ銀による放射線低減効果を発見された時の模様が書かれている事に気付きました。

この中にナノ銀に関する驚くような実験結果が書かれていました。P188から引用します。(赤字は私が強調のためにつけました)
(もしかしたら、ナノ銀には本当に除染効果があるかもしれない)
私はすぐさま実験を開始しました。
施設の裏の土を持ってきて計測します。ヨウ素131とセシウム134、137を合わせると3.25マイクロシーベルトもありました。問題なのはナノ銀を担持させた溶液の量。どのくらい撒けばいいかがわかりません。通常、「せせらぎ」や再生現場で使用しているのとではケースが違います。
ただ、これまでの経験から水100ccに対してナノ銀が1ccあたりでいいだろうと考えました。濃度はかなり高い160ppm。濃いほうがおそらく効き目も高いに違いないと思ったからです。
ところが、数値はほとんど変わらない。3〜4日経って徐々に落ちてくるのですが、しばらくするとまた横ばい状態に。今になって思えば、数値が多少落ちたのは半減期が8日と短いヨウ素131が日が経つにつれて消滅していったからでしょうね。
(ナノ銀に除染効果はないってことか!?)
不安を抱きつつも、何か方策はないか必死で知恵を絞った結果、「逆にもっとシンプルに考えた方がいいんじゃないか」と思い当たった。
「試しに、ナノ銀の濃度をもっと低くしてみよう」
今度は通常で使っている濃度の10ppmにしてみました。すると・・・。
「阿部先生、数値があっというまに下がっていきますよ!!」
スタッフの声が弾みます。
もしかしたら、濃度が低いほうが効き目があるのかもしれない。新たな実験を始めます。
いくつもの容器をズラリと並べ、濃度の違うナノ銀溶液をつくって一つずつ試していきました。
4ppmから始めて20ppmまでは1刻み、20ppmから50ppmまでは5刻み、50ppm以上は10刻みで、実に20種類以上ものナノ銀溶液を放射能に汚染された土に散布したのです。その結果、最も効果のあったのは20ppmと判明しました。
これには驚きました。私は、効果がサチることがあったとしても、濃度が高い方が効果も高いと思っていたからです。これまでの実験の中で、20ppm位が最適と書かれていたのを不思議に思っていました。
しかし、この実験結果を見ると、濃度が高過ぎると逆に効果は出ないようです。ナノ銀の粒子と粒子の間の距離が重要なファクターなのでしょうか? 仕組みの解明はこれからですが、非常に興味深い結果だと思います。

以上

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