2014年5月25日日曜日

LENR-CANR.org に登録された日本語の文献

分かっている範囲で、常温核融合の文献ライブラリである LENR-CANR.org に登録されている日本語文献の一覧です。Googleによる検索でもだいたいは見つかりますが、一部にGoogleのインデックスが張られていないものがあるようです。

常温核融合(LENR)という科学の状況への私の視点 - LENR-CANR.org

McKubre, M.C.H. Cold Fusion (LENR) One Perspective on the State of the Science (Japanese version).
in 15th International Conference on Condensed Matter Nuclear Science. 2009. Rome, Italy: ENEA.
http://lenr-canr.org/acrobat/McKubreMCHcoldfusionc.pdf


未来は思っているよりうまくいくかも - LENR-CANR.org

Rothwell, J. The Future May Be Better Than You Think (Japanese version).
in 17th International Conference on Cold Fusion. 2012. Daejeon, Korea.
http://lenr-canr.org/acrobat/RothwellJthefuturema.pdf


常温核融合の文献と歴史からの教訓 - LENR-CANR.org

Rothwell, J. Lessons from cold fusion archives and from history (Japanese version). 
in ICCF18 Conference. 2013. University of Missouri.

常温核融合フロンティア 2011 - Japan CF-research Society

Takahashi, A., Jyouon kakuyuugou hurontia 2011 (in Japanese: "The Frontiers of Cold Fusion 2011").
JCFRS, 2011.
http://lenr-canr.org/acrobat/TakahashiAjyouonkakua.pdf


常温核融合プロジェクト - LENR-CANR.org

Mizuno, T., Jyouon kakuyuugou purojekuto (cold fusion project). 2006: LENR-CANR.org.
http://lenr-canr.org/acrobat/MizunoTjyouonkaku.pdf


未来を築く常温核融合 - LENR-CANR.org

Rothwell, J., Mirai o kizuku jyouonkakuyuugou. 2007: LENR-CANR.org.
(the book "Cold Fusion and the Future" translated)
http://lenr-canr.org/acrobat/RothwellJmiraiokizu.pdf

以上

2014年5月24日土曜日

未来は思っているよりうまくいくかも

Jed Rothwellさんが、2012年に韓国で開かれた国際常温核融合学会 第17回大会で発表された時の資料の日本語版が公開されました。

題名は「未来は思っているよりうまくいくかも」です。以下のリンクからダウンロードできます。講演ビデオは ここ から見られます。
http://www.lenr-canr.org/acrobat/RothwellJthefuturema.pdf

常温核融合の研究者は、技術的な課題を熟知しているだけでなく、回りからの非難や政治的な圧力を感じているため、常温核融合の未来について悲観的になりがちである。
しかし、常温核融合の利点、つまり、エネルギー源として、柔軟で拡張性があり、安全で使いやすく無排出で、化学燃料よりエネルギー密度が何百万倍もあり、24時間連続運転できる…といった事が理解されれば、科学者の悲観的な予想よりずっと早く普及するだろう。
常温核融合の主要な論文を収録しているインターネットライブラリ LENR-CANR.org には、毎週数千人のアクセスがあり、常温核融合への関心の高さをうかがわせる。実は世の中には常温核融合に注目している人達が沢山いるのだ。未来は思っているより、ずっと明るいかもしれない。

といった事が書いてあります。PDFで11ページなので、どうぞ気軽にダウンロードして御一読ください。

以上

2014年5月19日月曜日

新たな常温核融合ベンチャーLightStone社

また新しい常温核融合ベンチャーが立ち上がっているのが発見されました。Light Stone社です。Webサイトは ここ 、Twitterは ここ です。

詳細は不明ですが、概要のページを見ると以下のような事が分かります。
  • LENRと明に言っている。
  • LENRによる発熱装置のプロトタイプを作成済。
  • 中性子、γ線、発熱を観測している。
  • 熱量測定で有名な米国の企業と協働している。
  • 旧ソビエト連邦で得られた研究に基いている。2011年に安定したLENR反応を起こせる条件と素材を見つけるまで25年間研究を続けてきた。
  • 2012年にLENR反応炉のプロトタイプを作るのに成功した。
  • 2013年には、欧州特許を取得。

ソビエト連邦で研究されていた技術がベースになっていると言ってますが、この会社はドイツに本拠を置くようです(以下)。


また、まだ何も書かれていないのですが、「Nuclear Cleanup」というページが用意されているのが気になります。何か除染技術を開発しているのでしょうか? 期待して今後の情報発信を待つとしましょう。


以上

2014年5月18日日曜日

ナノ銀による放射線低減効果とナノ銀濃度の関係

最近、阿部宣男博士が館長を勤められていた板橋区ホタル生態環境館の存続に向けての活動を応援しています。私自身は、子供のころから生き物飼育は苦手で、到底ホタル好きとは言えないのですが、その縁で少しホタルの事を調べるようになりました。
ところが、そのために買った「ホタルよ、福島にふたたび」という阿部宣男博士の自伝的な本の中に、ナノ銀による放射線低減効果を発見された時の模様が書かれている事に気付きました。

この中にナノ銀に関する驚くような実験結果が書かれていました。P188から引用します。(赤字は私が強調のためにつけました)
(もしかしたら、ナノ銀には本当に除染効果があるかもしれない)
私はすぐさま実験を開始しました。
施設の裏の土を持ってきて計測します。ヨウ素131とセシウム134、137を合わせると3.25マイクロシーベルトもありました。問題なのはナノ銀を担持させた溶液の量。どのくらい撒けばいいかがわかりません。通常、「せせらぎ」や再生現場で使用しているのとではケースが違います。
ただ、これまでの経験から水100ccに対してナノ銀が1ccあたりでいいだろうと考えました。濃度はかなり高い160ppm。濃いほうがおそらく効き目も高いに違いないと思ったからです。
ところが、数値はほとんど変わらない。3〜4日経って徐々に落ちてくるのですが、しばらくするとまた横ばい状態に。今になって思えば、数値が多少落ちたのは半減期が8日と短いヨウ素131が日が経つにつれて消滅していったからでしょうね。
(ナノ銀に除染効果はないってことか!?)
不安を抱きつつも、何か方策はないか必死で知恵を絞った結果、「逆にもっとシンプルに考えた方がいいんじゃないか」と思い当たった。
「試しに、ナノ銀の濃度をもっと低くしてみよう」
今度は通常で使っている濃度の10ppmにしてみました。すると・・・。
「阿部先生、数値があっというまに下がっていきますよ!!」
スタッフの声が弾みます。
もしかしたら、濃度が低いほうが効き目があるのかもしれない。新たな実験を始めます。
いくつもの容器をズラリと並べ、濃度の違うナノ銀溶液をつくって一つずつ試していきました。
4ppmから始めて20ppmまでは1刻み、20ppmから50ppmまでは5刻み、50ppm以上は10刻みで、実に20種類以上ものナノ銀溶液を放射能に汚染された土に散布したのです。その結果、最も効果のあったのは20ppmと判明しました。
これには驚きました。私は、効果がサチることがあったとしても、濃度が高い方が効果も高いと思っていたからです。これまでの実験の中で、20ppm位が最適と書かれていたのを不思議に思っていました。
しかし、この実験結果を見ると、濃度が高過ぎると逆に効果は出ないようです。ナノ銀の粒子と粒子の間の距離が重要なファクターなのでしょうか? 仕組みの解明はこれからですが、非常に興味深い結果だと思います。

以上

中国天津ニッケル水素(常温核融合)研究センター設立

E-Cat Worldに報じられた情報によると、2014年4月16日に中国で、中国天津ニッケル水素(常温核融合)研究センターの開所式が行われ、そこにIndustrial Heat社の会長であるTom Darden氏が出席したとの事です。
Industrial Heat社は、ロッシ氏のE-Catの技術を買収したと公式に発表した企業であり、この中国名からして、ニッケル・水素系の常温核融合装置であるE-Catの開発、製造または応用研究などに携わるのは間違いないでしょう。


とうとう中国にも常温核融合の実用研究拠点が姿を現してきました。中国語の表記を眺めていると、感慨深いものがあります。
中国 China
天津 Tianjin
镍 nickel(ニッケル)
氢 hydrogen(水素)
冷核聚变 cold fusion(常温核融合)
研究中心 research institute(研究センター)
成立 founded


以上

Defkalion社のICCF-18でのデモの信頼性失墜

常温核融合を報道しているスウェーデンのジャーナリストMats Lewan氏が、新著「An Impossible Invention」のためのWebサイトで重大な記事を公開しました。ICCF-18の会議にライブ中継され、Mats Lewan氏が立ち会ったデフカリオン社のHyperion反応炉のデモ(2013年7月23日)では、出力の熱量測定に問題があり、実際にはHyperionから過剰熱が発生していなかった可能性があると報じています。

この報道の元となった評価レポートは、イタリアのMose社の元CTOであるLuca Gamberale氏が書いたものです。Mose社は、デフカリオン社と共同でジョイントベンチャーのデフカリオン・ヨーロッパ社を起こした会社です。
http://animpossibleinvention.files.wordpress.com/2014/05/dgt-faulty-demo-140502-english.pdf

このレポートで指摘された測定誤差が非常に大きいので、デフカリオン社のこれまでの取組みに対する信頼性をも揺るがす大事件となっています。レポートによると、このデモが終わった後に、同じ設定で、Hyperion反応炉を切った状態で動作させたところ、2.5kWの入力に対して約17kWの出力を得たとのこと。過剰熱があったのかどうか全く分からなくなりました。

元々デフカリオン社は、ロッシ氏のE-Catを販売する計画を持っていた会社で、ロッシ氏とは共同記者会見まで開いた経緯があります。しかし、その後、ロッシ氏とは喧嘩別れして、独自の常温核融合炉Hyperionを開発する道を選びました。

デフカリオン社はこれまでHyperionの実験データの詳細を公開した事がありません。そのため、Hyperionの動作については誰も検証しようがない状態でした。しかし、仕様書や論文は発表してきており、プライベートな他者評価も行なっていると発表していたので、私は、結構信頼できると考えてきました。しかし、今回の事件で、信頼度は全く分からなくなったと思います。それにしても、当初、胡散臭いと思われていたロッシ氏が、完全な第三者検証によって大きな信頼を勝ち得たのと対照的な状況になりました。デフカリオン社が、早く信頼性のあるデータや第三者評価結果を出してくれるよう望みます。

以上