2013年3月17日日曜日

ナノ銀(ナノ純銀)除染についての国会での質疑

ナノ銀による除染効果と常温核融合との関係」の記事で取り上げたナノ銀(ナノ純銀)除染について、国会の代表質問で生活の党の森ゆうこ議員が、積極的な調査への取り組みをするよう質問を行いました。下村大臣の答弁は、放射線の減弱効果は認められなかったという否定的なものでした。

この答弁は非常に残念です。
ナノ純銀によるセシウムの放射線減弱という現象は、従来の物理学の知見からは起こりえない筈の非常識な現象です。現状は、阿部博士が先鞭をつけ、物理学の専門家である岩崎博士の探求によって、ようやく実験室内で精密な測定ができ始めたばかりです。新現象発見の黎明期なので、材料や条件の相違によって再現しないケースは十分ありえます。また、もしかすると放射線減弱の結果の方が誤りだったという結論になる可能性も残っています。この時期に、簡単に「指摘の効果は確認されなかったものと聞いております」で済ませるのは、非常に重要な発見に対する正しい態度ではないと思います。私としては、以下のように述べていただきたかったと思っています。「原研での実験では効果が確認できなかったが、岩崎博士の報告で詳しい再現条件が明らかになってきているので、相違点を洗い出し、現象の解明に向けて再度追試に挑むよう関係機関に働きかけたい」

いずれにしても、議論の際には、単に肯定・否定という結果だけを述べるのではなく、どのような条件でどのような結果が得られたからそう判断したのかを相互に検証する姿勢が大事だと思います。

以下、応答を議事録から引用させていただきます。(赤字は引用者による)


森ゆうこ議員の質問
放射能対策は最優先の課題です。原発サイトの汚染水問題や各地の放射性汚泥など、一時的な管理は限界に達しつつあります。新しい技術も活用し、これまでにない発想で早急に対応すべきです。あわせて、放射能で汚染されたものを拡散する政策は世界の常識に反するものであると考えますが、総理の御所見を伺います。
例えば、新しい技術の中に、下村文部科学大臣も御関心のあるナノ純銀によるセシウム低減技術があります。二月六日、放射線関係の研究会で、半減期を著しく短縮させる減弱効果があったとの検証測定結果が報告されました。まずは、しかるべき機関に実情を調査研究させるべきと考えますが、下村大臣、いかがですか
下村大臣の答弁
○国務大臣(下村博文君) 森議員から、ナノ純銀によるセシウムの低減技術についてのお尋ねがございました。
除染技術については、これまでも様々な研究機関や団体等から新しい技術が提案され、日本原子力研究開発機構においては、様々な除染技術に対して実証試験等を行い、その効果を確認してまいりました
さて、私も関心のあるナノ純銀によるセシウム低減技術でございますが、日本原子力研究開発機構が関係の大学とともに二度にわたる試験を実施しましたが、残念ながら御指摘の効果は確認されなかったものと聞いております。しかし、除染技術として効果的なものを活用していくことは極めて重要であり、文部科学省としては、日本原子力研究開発機構に対し、今後とも各方面から御提案のある技術について、関係各省とも連携し、積極的にその技術的評価に取り組み、有望な技術の確認を行うよう要請してまいります。(拍手)

また、森ゆうこ議員の質問にあった、以下の部分には概ね同意するのですが、今後の成長分野として力を入れるものの中に、ぜひ常温核融合を加えていただきたいと思います。
世界のエネルギー産業が目指す方向は、福島原発事故後、一変しました。
再生可能エネルギーの分野は、今後の成長産業、希望であると総理自身が所信表明でも述べられました。日本は、太陽光、風力、地熱、潮力、バイオマスなど再生可能エネルギーのポテンシャルと、本格的に試掘が始まった油田、ガス田、メタンハイドレート等を見れば、全てのエネルギー需要を賄って余りある資源大国になる可能性を秘めていると政府の様々な試算で確認できます。
安倍総理、世界一を目指していこうではありませんか。この世界中の国と企業がこれから覇権を争う再生可能エネルギーの分野こそ、再生医療などと並んで日本の技術力と人材を集中して胸を張って世界に貢献できる分野です。再生可能エネルギー世界一を国の目標に掲げて、最終的にはエネルギー自給国家を目指そうではないですか。いかがですか。これは、エネルギー安全保障の観点からも国策として極めて重要だと考えますが、総理のお考えを伺います。
以上

2 件のコメント:

  1. 文部科学大臣が効果がないと言っているにもかかわらす、まだあきらめないでんすネ。いつまでナノ銀をいうつもりなのでしょうか。これはもはや科学ではなくまやかしの宗教に近い。国民はみんなわかるるでしょう。

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  2. 「今までの常識では考えられない現象が観察されたから、実験して確かめ、原因を追求しよう」という姿勢こそが科学だと思っています。岩崎先生の実験結果によって、確かめてみるだけの価値がある事は示されたと思っています。なぜ、検証することを否定するのか理解できません。
    ちなみに、僭越ながら、福島原発事故が起こるまで原子力発電を安全だと言い続けた日本政府の文部科学大臣の科学に対する見識は余り信用していません。

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