2012年11月24日土曜日

Hydrobetatronのカンファレンスが12月に開催予定

イタリアのピレリー工業高校で始まった常温核融合の追試プロジェクトについてです。
最初、Athanorという名前の実験装置でしたが、これを改良した第2版はHydrotronと呼ばれています(その後、Hydrobetatronという名前になっているようです)。
ピレリー工業高校の教師であるUgo Abundo氏が中心になって検証を進めているらしく、YouTubeには実験風景を記録した動画が公開されています。

このプロジェクトについて、Ugo Abundo氏は前々からカンファレンスを開催すると言っていたのですが、その日程がダニエル氏のブログに載っていました。

原文はイタリア語なので、Googleで英語に翻訳したものを以下に載せます(赤字は引用者による)。これによると、12月4日にローマで開かれるとのこと。常温核融合研究者として著名なFrancesco Celani博士やW-L理論で有名なAllan Widom博士のインタビューの放映もあるようで、高校だからといって決してレベルは低くないカンファレンスであるように見えます。また、ISPRAのような公的機関が公式に関わるようで、イタリアでの常温核融合の認知の広がりは本格的になってきたようです。

(2)
ROME , Tuesday, December 4 , from 9:00 to 13:30 at the ' IIS Leopoldo Pirelli of Rome conference in the New Energies School  (organized in collaboration with the ' ISPRA .)  is the event that the Engineer. Ugo Abundo had already announced last summer and which for now will only advance the lineup:

0. Introduction to the activities promoted by the Institute in the past (in particular, the solar system for the extraction of drinking water from the atmosphere built by the students of Pirelli and donated to a school in the Congo)
1. Welcome to the IIS Manager L. Pirelli
2. Greetings from the ministerial authorities
3. Presentation of the work plan
4. Reports and / or video interviews:
Emilio Del Giudice  - the theoretical framework of LENR
Francesco Celani  - the experimental framework
Antonella De Ninno  - ENEA experience on the production of helium
Allan Widom - the theory of electronic cooperation
Yogendra Srivastava  - experimental prospects for the best reaction conditions
Domenico Cirillo  - evidence of neutron emission and transmutation
5. Dr. L. Magro (ISPRA) - hypothesis of selective measurements of tracers for LENR
6. presentation by pupils Pirelli, the activities of this school year
7. presentation of movies related to the documentation of the achieved overunity
8. association "All Rights", setting criteria for an environmental impact study (and man) of the new techniques of energy production
9. presentation of the results of the most recent experimental campaign
10. illustration of the operation LIVE in conference room (obviously with electric heating and not LENR)  of equipment built from September to November in Pirelli for measuring energy yield of LENR
11. presentation of an analogy between artificial neural network and structure of the physical space in order to reach a quantum model of orientation for guiding the continuation of research
12. debut of the official website where follow the progress of the trial OPEN SOURCE
For now I'll stop here. I add only that there will be a nice surprise for readers of 22 steps of love and its surroundings.

以上

以上


ICCF-17の写真と講演ビデオ

ICCF-17(常温核融合国際学会第17回)のホームページに、写真と講演のビデオが公開されています。講演の中身は難しくて良く分かりませんが、会場の雰囲気を知るには良い材料だと思います。

写真の全体目次(一括ダウンロードもできます):

例として2枚だけ紹介します。この他にも多数の写真が収められています。
集合写真:

Celani博士の常温核融合セルのデモ風景:

講演のビデオは以下のページに目次が掲載されています。ICCF-17に先立って行われたKAIST EEWS Workshop (ICCF-17 Tutorial)の講演ビデオもあります(写真も上のページで公開されています)。
日本からの登壇者のビデオもあります。
[TuM2-3] Prof. Tadahiko Mizuno 水野忠彦博士
[TuA2-1] Prof. Akira Kitamura 北村晃博士
[TuA2-2] Ms. Naoko Takahashi 高橋直子氏
[WeM1-1] Prof. Akito Takahashi 高橋亮人博士
[ThM1-2] Mr. H. Sakoh 佐藤氏
[ThM2-1] Dr. Tatsumi Hioki 日置辰視博士
[ThM2-2] Dr. Y. Iwamura 岩村康弘博士

また、ジェトさんと、常温核融合はどこまで信じられるかを公開資料で論じたTyler氏も登壇されています。
[FrM1-3] Mr. Jed Rothwell
[FrM2-1] Mr. Tyler van Houwelingen


以上


2012年11月19日月曜日

LENR-CANR.orgの運営費を寄付しましょう

常温核融合についての論文やレポートを見たいと思ったら、まず訪れるべきなのは、
http://lenr-canr.org/
です。このサイトから1000以上の学術論文を無償でダウンロードする事ができますし、3500以上の資料のインデックス情報を自由に検索できます。常温核融合研究の知識の宝庫と言って良い場所です。

さて、このサイトを運営し、論文やインデックス情報の登録という地道な作業を続けておられるジェト・ロスウェル氏(Jed Rothwell氏)が、サイトの運営費用の寄付を募っています。運営に貢献したいと思われる人は、是非、寄付を検討してみてください。ジェトさんのオススメは、$10、$20、または$30です。このサイトにはとてもお世話になっているので、私も$20を寄付してきました。日本円にすると約1600円。今までに得た情報から考えると、随分安い対価だと思っています。

但し!、日本からでは、以下の「Donate」ボタンを押しても送金できないようです。米国では税の控除が受けられる寄付金として扱われるようなのですが、その仕組が日本とは連動していないためか、PayPalで送金しようとしてもシステムから拒絶されてしまいました。

Jed Rothwell氏に尋ねて、日本からの送金方法が分かりましたので、この後に解説します。日本から送金される人はご注意ください。日本では税の控除対象とはなりませんので、その点についてもご注意ください。
また、寄付に関して私は一切の責任を持ちません。寄付をされるあなた自身が寄付して良いかどうかを責任持ってご判断ください。


日本からの送金方法(PayPalの場合)


PayPalでは、PayPalのアカウントを持っている人・組織に対しては、そのメールアドレスを指定すれば送金できるようです。この方法で、寄付受付をしているNew Energy Foundation(非営利団体)に送金できます。New Energy FoundationのGeneral ManagerであるChristy Frazier氏に確認した所、この方法で送金すれば、LENR-CANR.orgへの寄付として認識されるそうです。以下、そのメールアドレスと送金方法です。

  • PayPalにログインします。
  • PayPalのメニューの中に、「支払い」というタブがあるので、これをクリックしてください。支払いの画面が現れる筈です。
  • 支払い画面で、「宛先」に「staff<アットマーク>infinite-energy.com」というメールアドレスを指定してください。(<アットマーク>は@に置き換えて入力してください)
  • 更に支払い画面で、「金額」に寄付する額(例えば20)と、通貨(USD)を指定してください。支払い種類を選択するようになっていますが、これは何を指定するのが正しいのか分かりません。私は「サービス」を選択しました。
  • これで「続行」を押せば、確認画面が出てくる筈です。送る時に、メッセージを添える事もできます。



寄付を募るサイトからの記事の引用と勝手な和訳

LENR-CANR.ORG YEAR-END FUNDRAISING CAMPAIGN
LENR-CANR.ORG年末募金キャンペーン

Please make a tax-deductible contribution to lenr-canr.org. Suggested donation amounts are $10, $20 or $30, but any donation is greatly appreciated.
どうぞ税控除が受けられるLENR-CANR.orgへの寄付をお願いします(★日本では税控除は受けられません)。お勧めする寄付額は$10, $20又は$30ですが、もちろん、どのような額でも喜んで受け取ります。

LENR-CANR.org is an online library of cold fusion papers. We have over 1,200 full text papers and a bibliography listing 3,933 items. Our readers are mainly scientists, engineers and university students. Readers downloaded 401,196 papers in 2011, nearly 8,000 per week on average.
LENR-CANR.orgは常温核融合論文のオンラインライブラリです。1200のフルテキストの論文と3933の項目からなる書誌情報を提供しています。主な利用者は科学者、エンジニア、大学の学生です。2011年には401,196回のダウンロードがありました。これは平均して週8000回に相当します。

Our annual expenses to maintain the website are around $10,000, which consists mostly of office expenses and travel. For the last several years, generous donations from the New Energy Foundation have covered about half of this cost. This year we are asking readers to chip in as well.
ウェブサイトの年間運営費用は約10,000ドルです。主たる用途は、オフィスの賃貸料と旅費です。この数年間は、New Energy Foundationが半分を気前よく寄付してくれていました。今年は、利用者のみなさんにも寄付をお願いする事にしました。

Your donation will be tax-deductible because it will be received by the non-profit New Energy Foundation, earmarked for LENR-CANR.org. Please do your part in keeping this important resource available.
あなたの寄付は税控除を受けられます(★日本では受けられません)。なぜなら、非営利団体であるNew Energy Foundationが受け取り、LENR-CANR.orgのために使われるからです。

In addition to maintaining the library of cold fusion resources, LENR-CANR.org has been actively involved in helping to promote the field. Read our latest paper, "The Future May Be Better Than You Think."
常温核融合の学術資産のライブラリ運営に加えて、LENR-CANR.orgは常温核融合のプロモーションを活発に支援してきました。我々の最新の論文「未来はあなたが思うより明るいかもしれない」を読んでみてください。

Thank you!

Jed Rothwell
Librarian, LENR-CANR.org


以上

2012年11月5日月曜日

ゼオライトとパラジウムを使った常温核融合実験

少し古い記事になりますが、9月30日にCold Fusion Nowに投稿されたインタビュービデオはたいへん興味深い現象を教えてくれています。
このインタビューは、Ruby Caratさんが、カリフォルニアのLaVerne大学の化学部門主席のDr. Iraj Parchamazad博士と海軍の研究者であったMelvin Miles博士に行ったものです。この中では、実にゼオライト(沸石)とパラジウムと重水素によって過剰熱生成が起こるという現象が語られています。この反応でもゼオライトの結晶構造が大きな役割を果たしているようです。再現性も良いようなので面白い研究だと思います。


以上

Celani博士の常温核融合セルの追試に挑むMFMP

マーチン・フライシュマン博士記念プロジェクト「Martin Fleischmann Memorial Project」(以前は追悼プロジェクトと訳してましたが、記念の方が意味に合うと思うので変えました)が立ち上がった事は以前にも書きました。


当初は追悼の意を表するのが目的なのだろうと誤解していました。ところが、実はもっとアクティブな活動で、有志が集まってフライシュマン博士の灯した「新しい灯=常温核融合」を世界に認知させるために、常温核融合実験の追試に乗り出しています。
ターゲットして選ばれたのは、Celani博士がNIWeek 2012やICCF-17でデモを披露した金属ワイヤーを使った実験装置です。以下にその計画書が載っています。



目的は、追試を成功させて、それを世界に広めることですから、設計書から手順から実験結果まで全てオープンにして進めようとしています。例えば、以下のページには、実験に使うセルの詳細な設計が載っています。


また、進捗状況は写真入りで以下のブログに詳細に公開されています。
http://www.quantumheat.org/index.php/replicate/progress-blog

このチームの紹介ビデオはYouTubeに登録されています。様々なスキルを持った人達がチームを結成していて、実に頼もしい感じです。こういうプロジェクトが世界を変える原動力になっていくのだと思います。応援しましょう!



以上

2012年11月3日土曜日

Energetics Technologies社は撤退、資産はミズーリ大学へ

ロッシ氏が現れる前は、「常温核融合ベンチャー」として先頭を走っていたのは、おそらくイスラエルにあったEnergetics Technologies社だったでしょう。CBSの「Cold Fusion is Hot again」という常温核融合を取り上げた番組で、ミズーリ大学のダンカン博士が実験の検証のために訪れた会社です。


Energetics Technologies社はミズーリで活動中」の記事でもお伝えした通り、この会社はダンカン博士のいるミズーリ大学のインキュベーションセンターに居を移して活動を続けていました。
しかし、New Energy Timesに載った記事によると、Energetics Technologies社は常温核融合のベンチャービジネスから撤退し、資産をすべてミズーリ大学に引き渡す事になったそうです。研究者達はミズーリ大学の研究員として引き続き常温核融合の研究を続けられるとのこと。老舗のベンチャーの退場は残念ではありますが、その成果が失われることなく、ミズーリ大学に引き継がれて良かったと思います。


以上