2011年10月24日月曜日

E-Catの最後の公開テストは10月28日に実施?

ロッシ氏は、10月28日にE-Catの1MWプラントの顧客引渡しテストを行うと表明してきました。当初は米国の顧客先でのテストとなる予定でしたが、現状ではイタリアのボローニャで行われる予定となっています。ただ、このテストについては、どの程度公開されるのか良く分からない状況です。
以下、Cold-fusion.asiaのサイトから記事文面を引用しつつ、日本語を私が少し修正したもので状況をお伝えします。


■引用開始(日本語を引用者が修正・加筆)
E-catに関する話を追ってる人々は、ボローニャで行われる10月28日のテストに注目しています。ロッシ氏によれば、彼の謎の顧客が1MWのE-catプラントのテストを行うとのことです(ロッシ氏は、実際にはテストを行うのはその顧客のコンサルタントだと言っています)。
アンドレア・ロッシ氏は、このテストは彼が行う最後の公開テストになると伝えています。テストは28日中に完了するか(翌日以降に継続しないか)という問いに対して、ロッシ氏はこう述べています:
その通りだ。28日以降公開テストは行わない。我々は製造と顧客向けテストで手一杯になるだろう。我々はボローニャ大学とウプサラ大学とのR&Dを継続するが、その内容は公開しない。
実際に、28日のテストは契約に沿って、顧客とその専門家によって行われ、公開はされない。ともかく、結果の数値が書かれた公開レポートが最後の作業になるだろう。

ロッシ氏は、広く一般の人に理解してもらうためのショウには意欲的ではないと思われます。もっと正確に言えば、彼は、彼の発明の商業化に取り組みたいと熱望しているようです-彼は市場に送り出す製品こそが、最も説得力のある証拠だと常に述べています。
これらの状況は、10月28日のデモは全く公開されない事を意味しているのでしょうか? そうでは無いでしょう。ロッシ氏は、トップレベルの科学者と科学ジャーナリストがテストに参加すると言っています。また、今日、Webカメラやリアルタイムのパワーメータ表示はまだやるつもりなのかと聞かれて、「我々の顧客がテストを設計しており、そのように取り計らう予定だ」と答えています。
このテストがどのように実施されるか興味深いものがあります。今後数日にわたり、何が期待できるかアイデアが得られることを願います。一つ明確なことがあります。-このイベントは注目されており、最近のフォーブス誌の記事は多くアクセスされ、GoogleでE-catを検索する人を増やしているようです。今、アンドレア・ロッシ氏とE-catが注目を集める時期になっています。
■引用終了

いずれにしても、10月28日が楽しみです。期待して待ちましょう。

補足: 上記の原文は以下のサイトにある文だと思われます。


以上

E-Cat World Forum開設

E-Catに関する旬な話題を記事にしてくれているE-Cat Worldで、ユーザが意見を書き込めるフォーラムを開設するとのアナウンスがありました

早速、幾つかのスレッドが立ち上がっているようです。興味のある方は参加されては如何でしょうか。

以上

2011年10月16日日曜日

World Green Energy Symposiumに常温核融合出展

Cold Fusion Nowの記事で知りました。10月19日から21日に米国のフィラデルフィアで開催されるWorld Green Energy Symposium(世界グリーンエネルギーシンポジウム)に、常温核融合のセミナーと展示が出るとの事。


このシンポジウムの議事予定(下図)を見ると、2日目の15:30からMITのPeter L. Hagelstein博士によるセッションが予定されています。


講演者としては、以下の4名の方々が予定されているようです。Hagelstein博士、Xing Zhong Li博士、George H. Meley博士は常温核融合研究の中では著名な科学者です。

Keith Owens氏の名前は初めて見ましたが、Cold Fusion Energy, Inc.というベンチャーを立ち上げた人のようです。常温核融合のビジネスの匂いに惹かれたのか、様々な人が集まってきますね。

http://www.worldgreenenergysymposium.us/2011speakers.html




ブースにも出展するようです。以下が会場のレイアウト図ですが、下の方にCold Fusionと赤字で私が加筆した2つのコマがそのブースです。このシンポジウムを契機にして、また認知が広まることでしょう。


















ちなみに、Cold Fusion Energy Inc.のホームページは以下にあります。メンバーリストの中に日本の研究者の名前も見えます。



以上

E-Catは原油価格に影響を与えるか

最近忙しくて、常温核融合関連のニュースをフォローできていません。
OILPRICE.comという原油価格情報を取り扱っているサイトの記事で、Al Fin氏がロッシ氏のE-Catのニュースを取り上げていました


E-Catの特長の一つは、低コストでの発電です。ロッシ氏は、1kwh当たり約1円という予想を表明しています。世の中の人々が、この可能性を認識すると、エネルギー源として用いられる燃料の将来の価格は軒並み暴落するかもしれません。原油価格情報サイトで記事になるのはとても自然なことだと思います。

この点については、Paul Bennett氏がE-Cat Worldサイトで考察を述べています。和訳は以下に掲載されており、少し分かりづらい所もありますが、趣旨は充分に読み取れます。要するに、数年後の原油の予想市場価格はE-Catが作り出すエネルギーと同じ価格のエネルギーを作るための価格以下に抑えられる事になるとの予想です(「石油-E-Cat均衡価格」と彼は読んでいます)。つまり、E-Catの将来性が認知された瞬間に、原油の(将来)価格は下がり始めるという予想です。

私は株も先物取引もやらないので、静観するのみですが、こういう取引に長けた人にとっては大儲けのチャンスかもしれませんね。


以上

2011年10月12日水曜日

デフカリオン社、常温核融合装置ハイペリオンの商用プロトタイプ準備完了!

去る10月6日にイタリアのボローニャで行われたE-Catの公開実験は無事に終了し、実験レポートも発行されました。そのニュースもフォローしたいのですが、実験の余韻が消えない10月10日に、デフカリオン社から興味深いプレスリリースが発行されたので、本日はそのメモです。

デフカリオン社は、「ロッシ氏がデフカリオン社との契約を破棄~奇妙な関係悪化」でも述べたように、E-Cat技術の商用化をするために設立された会社にも関わらず、財務上の理由によってロッシ氏から契約を破棄された経緯があります。
さて、今回のプレスリリースでは、以下のように彼らの常温核融合装置「ハイペリオン(Hyperion)」の商用プロトタイプが製造できるようになったと述べています(和訳は引用者による)。

Defkalion invested a lot of money to evolve Rossi’s E-Cat lab prototype into its Hyperion product. Defkalion is now at the stage where its industrial prototype is ready for production.
(デフカリオン社はロッシ氏のE-Cat研究プロトタイプをHyperion製品へと進化させるために多大な投資を行なってきた。そして今、商用プロトタイプの製造準備が整った。)
Defkalion has held direct business discussions with 62 interested companies who visited our offices in Greece and witnessed our work. Small industry and large energy players internationally were all impressed by our progress in technology and engineering.
(デフカリオン社は62の会社とビジネス交渉してきた。彼らはギリシアの我々のオフィスを訪れて、我々の仕事を見ている。小さな 工場から巨大なエネルギー会社まで世界中から来た人々が我々の技術に感銘を受けた。)

上記からすると、やはり、デフカリオン社はロッシ氏から秘密のノウハウの供給を受けなくても、独自の常温核融合装置を製造する能力を持ったのでしょう。さらに、ハイペリオンはバージョン7になっており、ロッシ氏のE-Catよりも進んでいると取れる記述をしています。

Today, Hyperion engineering has completed version 7. We were surprised to see our old designs used in public testing. We were confused why our old designs were implemented wrongly, as well as witnessing insufficient use of instruments and testing protocols.
(今日、Hyperionはバージョン7となった。我々は、古い設計のマシンが公開テストに用いられたのに驚いた。 我々は、古い設計が間違った実装をされている事や、計測器やテスト手順が不十分である事に困惑した。)

ロッシ氏に続いて、デフカリオン社までもが常温核融合装置の先陣争いに加わってきたことで、ますます目の離せない状況になってきました。今月末には、E-Catによる1MWプラントの顧客引渡し&検証テストが予定されており、実に楽しみの多い10月となりました。

以上

2011年10月3日月曜日

世界を変革する常温核融合の5つの利点

常温核融合の認知拡大を目指してブログだけでなくリアルな活動にも熱心なCold Fusion Nowに新たな常温核融合紹介ビデオが登場しました。作成・ナレーションはRuby Caratさん、編集はEli Elliottさん、音楽はFog Actionによります(制作スタッフの一覧はビデオの6:51頃に表示されます)。


このビデオでは、"The 5 World Changing Benefits of Cold Fusion"(世界を変革する常温核融合の5つの利点)が説明されています。その5つとは以下です。
  1. Ultra Clean Energy (極めてクリーンなエネルギー)
  2. Abundant Fuel (豊富な燃料)
  3. High Energy Density (エネルギー密度の高さ)
  4. New Economy (新しい経済)
  5. Global Power Shift (世界的なパワーシフト)
これだけだと分かりにくいと思うので、勝手に解説を付け加えてみます。

1. Ultra Clean Energy (極めてクリーンなエネルギー)
常温核融合反応は、核反応であるにも関わらず、有害な放射性物質や中性子線を発生しません。反応によって安定な同位体元素しか生成されないのです。これが現在の原子力と大きく異なる所であり、常温核融合では廃棄物の処理に困りません。しかも、二酸化炭素も発生しなければ、煤煙も出ないので、石炭や石油に比べても遙かにクリーンなエネルギーと言えるでしょう。

2. Abundant Fuel (豊富な燃料)
ロッシ氏のE-Catの例で言えば、燃料は水素とニッケルです。どちらも、地球上に豊富に存在する元素であり、枯渇を心配する必要がありません。

3. High Energy Density (エネルギー密度の高さ)
これは燃料1グラム当たりから発生するエネルギーの多さを言っています。一般に、核反応で発生するエネルギーは燃焼等の化学反応で発生するエネルギーの百万倍にもなります。ロッシ氏のE-Catでは僅かな量の水素とニッケルを消費しますが、燃料交換は半年に1回で済むとのこと。100グラムほどのニッケルを入れておけば、半年の間、数kW以上の熱を生成し続けるのです(但し、反応を起こすための入力電力は必要ですが、発電装置を付ければこれも賄えるようになるでしょう)。

4. New Economy (新しい経済)
E-Catは最初の一歩に過ぎません。常温核融合による発熱・発電装置は、小型化でき、しかも、燃料補給を気にせずに、どこにでも設置できるようになるでしょう。これは、単に発電だけでなく、車や電子デバイスや宇宙開発といった様々な分野に大きな変革をもたらすでしょう。滅ぶ産業もあるでしょうが、幾つもの新しい会社や新産業が勃興すると期待しています。

5. Global Power Shift (世界的なパワーシフト)
今の世界は、石油のようなエネルギー資源を持っている国や、石油の決済通貨を握る国にどうしても金と権力が集まってしまいます。しかし、常温核融合が普及すれば、どの国でも誰にでも簡単にエネルギーを手に入れられるようになります。常温核融合による発電装置は小型化できるため、巨大な配電設備も必要ありません。小さなコミュニティが独自に発電所を持つことだって夢ではありません。これは私達の社会のありようを変えて行くでしょう。

如何でしょうか。「エネルギー」がいつでもどこでも誰にでも安く簡単に手に入る世界。そういう世界へ扉を開くのが常温核融合テクノロジなのです。


以上

2011年10月2日日曜日

E-Catの公開テストは10月6日にボローニャで実施予定

常温核融合やE-Catに関するニュースを日本語に翻訳して伝えてくれるサイトがあります。和訳の質が結構良いので助かります。

今日は9月30日に載ったE-Catの公開テスト日程についてのニュースを、上記サイトから転載し、少し日本語に手を入れて読みやすくしてみました。元の記事は9月28日にE-Cat Worldに載っています

■転載開始(和訳を引用者が勝手に修正した。赤色も引用者による)
アンドレア・ロッシ氏、初のE-cat公開テストと結果公表の日付を確定

E-cat Worldより新たな記事を紹介します。
2011年10月まであと数日です。E-Catの支持者達が待ちに待った月です。アンドレア・ロッシ氏によると、E-Catの公開テストと明かされていない顧客への1MWプラントの初出荷に向けた作業は順調に進んでいるようです。

ロッシ氏は、彼のプラントについて、10月に何が期待できるか幾つかの情報を提供し始めました。
「10月中旬には次の事柄を説明したい。
1:どこで1MWプラントのテストが行われるか
2:1MWプラントの全て(機密を除く)の特性 (我々が開発した新しいタイプの反応装置についての補足情報)
3:おそらくは顧客名(顧客からの公開許可が得られれば)

また、ロッシ氏はイタリアのボローニャ大学で実施される予定であるE-Catの1ユニットのテストについても情報を提供しています。彼は、様々な国から選ばれた科学者や科学ジャーナリストをこの公開テストに招待したと言っています。(但し、誰が招待に応じたかについては述べていません。)

ロッシ氏はさらに、「7日にはインターネットで1MWプラントを構成する1クラスタのモジュールについて10月6日に行ったテストの報告書とビデオを見られるようにする」と述べました。

以上のことから、10月6日に行われるこのテストがE-Catの公表の重要な部分であるように見えます。このテストは、1MWプラントのテストよりも彼の発明をより良く説明するデモになるかもしれません。なぜなら、複数のE-Catではなく、1台のE-Catに注意を集中できるからです。

いずれにしても、私たちはカレンダーに丸をつける日ができました。このイベントが待つだけの価値があるものなのかどうかすぐに分かることでしょう! 記念すべき日になることを願います。
■転載終了

以上